社会連携研究部門 (1) スタートアップ企業の立地動態分析 (2) スタートアップエコシステム形成のためのイノベーション促進戦略の効果分析

『イノベーション拠点の空間形成と評価』 Spatial Formation for Innovation Hubs and its Evaluation

研究リーダー:
ラボ長 東京大学執行役・副学長 大学院工学系研究科教授 浅見泰司
  • スタートアップ(*)の育成は日本経済の成長戦略の柱の一つです。現状では、成功したスタートアップであるユニコーン企業の数や資金調達規模において日本は世界に後塵を拝しており、スタートアップの誕生と成長を促進する環境「スタートアップ・エコシステム」の形成が喫緊の課題とされています。   
  • *革新的なビジネスモデルで社会にイノベーションを起こし、短期での急成長を目指す企業      

  • 本社会連携研究部門では、スタートアップ企業の立地動態およびインキュベーション施設におけるイノベーション促進のための種々の施策の効果を、定量的・定性的に分析・評価して、新たなスタートアップ企業を誘引し、その成長を後押しする地域づくり・空間づくりのための知見を、実証的に明らかにしていきます。

  • 扱う研究テーマは大きく分けて以下の2つです。
  • (1) スタートアップ企業の立地動態分析
  • スタートアップ企業の立地動態を、東京23区を対象とするマクロと、本丸エリアを着目するミクロの2つの空間スケールで、定量的・定性的に分析します。企業集積や国内外への交通アクセス性等、都市機能の充実度を表すマクロな空間的特性と、共創空間や企業間コミュニケーション、従業員のウェルビーイングに関わるミクロな地域特性を、スタートアップの立地やその動態と関連付けて総合的に分析することにより、スタートアップの成長を促進する地域環境要因を解明します。

  • (2) スタートアップエコシステム形成のためのイノベーション促進戦略の効果分析
  • 本丸エリアにおける新たなスタートアップ・エコシステム形成に向け、三菱地所株式会社が2024年10月に開設したClimate tech(気候テック)領域における国内初のインキュベーション施設「0 Club(ゼロクラブ)」において実施される各種施策、例えばリスキリング・プログラムや、そのほかコミュニティ活動などの施策が、エコシステムにどう寄与するか、定性的・定量的に評価します。また施設入居企業の価値をモニタリングすることにより企業の成長において施設がもたらした要因の抽出や、施設内の対面交流の可視化による対面インタラクション解析を通じ入居企業の成長との関係を明らかにします。
図1: 東京都心部におけるスタートアップの空間分布         
  • 図2: 東京都における企業の空間分布(全事業所とスタートアップの比較)
  • 図3: オープンイノベーション施設利用者のコミュニケーション・ネットワーク

 

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